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我輩は影のオーナーである。名を「さちこ」という。
普段は地方都市にある本社社長室の座布団型デスクの上で 瞑想している。


時折、店の方から「視察に来い」との要請がある。面倒くさいことこの上ないが、従業員から献上されたホッケに免じて、行ってやることにしよう。

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2018年6月 6日 (水)

マジョリカ、パスタ戦国時代に細々と殴り込みをする

飲食店にとって、パスタは実にむずかしい一品だ。

イタリアンやビストロなど本場の味を追求する店は数多く、
大手チェーンは予算をかけておしゃれな味、新たなおいしさを開発し、
さらには一人暮らしのお手軽レシピや本格パスタソースなども百花繚乱。

本場イタリアから遠く離れたこの極東の島国は今まさにパスタ戦国時代。
そんななか「なんでもあるがこだわりはない」、「GOOD MUSIC&定食屋」
「おしゃれの街自由が丘で、カフェとスイーツの隙間産業」たる我が店は
どのように生き抜いていくべきか――。

若干風呂敷を広げすぎた感がなくもないが、
我が店の答えはこの一皿、「ミートソーススパゲティ」である。

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「スパゲティといえば」な王道を征くメニューだが、
こちらのソースには以前ご紹介したハンバーグステーキのルーを隠し味に加えており、
よそではちょっとお目にかかれない深い味わいになっている。

たっぷり玉ねぎの自然な甘みと肉々しい旨みのソースを
太めのスパゲティに絡めていただけば酒も進むというもの。
(イタリアンだからワイン…などと硬いことはいわず、この時期なら
グラスがキンキンに冷えた生ビールなどお勧めだ)
むろんちょっと遅めの夕食にも申し分ない。


パスタ屋でもない、イタリアンでもなんでもない我が店の異様にうまいミートソース、
ぜひ一度食べてみてほしい。


ついでに今なら、異常に手間がかかるため従業員が相当乗り気でないと作らない
幻のお通し「20時間煮込んだこんにゃく」がついてくる。
従業員ほどの頓馬でもないと一つの食品を20時間も煮込むなどという芸当は思いつかないであろう。(しかもお通しである)
従業員のあくなきヒマと探求心が生み出した産物、こちらもぜひご賞味を。

Dsc_0955

従業員は喜々としてこんにゃくの写真を載せようとしたが、
煮しめた茶色い物体など載せて従業員以外だれがよろこぶかということで、
代わりに美々しい私の写真を載せておく。
「オーナーの毛色もこんにゃくみたいなもんじゃないですか!」と叫んだ従業員には
もれなく怒りの猫キックをお見舞いしておいた。

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