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我輩は影のオーナーである。名を「さちこ」という。
普段は地方都市にある本社社長室の座布団型デスクの上で 瞑想している。


時折、店の方から「視察に来い」との要請がある。面倒くさいことこの上ないが、従業員から献上されたホッケに免じて、行ってやることにしよう。

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2013年7月

2013年7月24日 (水)

従業員、「なべのふた」に感激する

夏場にこんなことをいうのも何だが、大きな鍋でじっくりコトコト煮込んだ煮物はうまい。

 

 

少なくとも、小さな鍋でこせこせちみちみ煮込んだと言われるよりは、

はるかにそそられるものがある気がする。

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わが店でもその方針を受け継ぎ、煮込み料理に関しては一抱えもありそうな

大きな寸胴鍋で調理することを徹底していた。

わが店人気のポークビーンズはもちろん、ハンバーグシチューやドリアといった

主力メニューはすべて大きな鍋でじっくりコトコト煮込まれていたのである。

 

 

だが、わが店を支える寸胴鍋には重大な欠点があった。

 


大きすぎるのだ。

 


わが店でもっとも長身の従業員でさえ、鍋底をさらうためにわざわざ鍋を床におろし、

ほぼ立位体前屈の姿勢で格闘している。ほかの従業員では太刀打ちすらできない。調理の際に踏み台すら必要な勢いなのだ。

 

もちろん洗い場にそんな大きな鍋が収まるわけもなく、鍋底を洗うためにも再び立位体前屈だ。

それで今まで30年間やってきたわけだが、とうとう従業員の腰に限界が来た。

もう嫌だ、いちいち巨大な鍋を床に上げ下ろしするのも、腰を直角以上に曲げて

鍋底と向かい合うのもうんざりだ。ほかの従業員にも作業を押し付けられるサイズの鍋はないか。

 

そんな長身の従業員の悲鳴にも似た訴えを重く受け止め、私は早急に新たな鍋を注文した。

それがこれである。

 

Ncm_0157_2


 

容量はだいぶ減ってしまったが、それでもコセコセチミチミとは程遠い大きさ。

小柄な従業員でも扱いやすいサイズだし、なによりピカピカの新品に従業員は大喜びだ。

長身の従業員も自分だけが重労働を担う日々から解放され、心なしか晴れやかな表情だ。

そんな従業員たちの精神的な変化や鍋のサイズが、わが店の煮込み料理にどんな変化をもたらしたか。
それはわが店を訪れて直接確かめてほしい。

 

 

*******

 

 

ところで、従業員達がよくうつつを抜かしているゲームの装備に

「なべのふた」というものがある。

盾の代わりにするそうだが、「いくらなんでも無茶だろう」と従業員は思っていたそうだ。

 

「だけど、新しい鍋を見てたらわかりました。この鍋のふたなら大丈夫です。

攻撃どころかちょっとした魔法やイオナズンくらいならきっと跳ね返せます!」

 

 

なるほど、そんな細部までほめたたえられれば、わが店にきた鍋も満足だろう。

 

だが従業員よ。

いままで我が店にあった巨大寸胴鍋のふたはどうだ。

厚さといい、重さといい、あれのほうが相当敵の猛攻に耐えられそうな気がするのだが、

その点はいったいどうなのだ。

 

「……あ~、あの鍋のふたはだめですね。

重すぎて5分もすると腕のスジがやられるんですよ。

確かにあっちのほうが強そうなんですけど、あれは“装備できない”ってやつですね」

 

どうやら従業員の語る「なべのふた道」は、なかなか奥深いようである。

 

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意気揚々と鍋のふたとひのきのぼうを装備する従業員。

これなら魔物どころか、人っ子一人従業員に近づかないに違いない。

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