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我輩は影のオーナーである。名を「さちこ」という。
普段は地方都市にある本社社長室の座布団型デスクの上で 瞑想している。


時折、店の方から「視察に来い」との要請がある。面倒くさいことこの上ないが、従業員から献上されたホッケに免じて、行ってやることにしよう。

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2013年4月

2013年4月22日 (月)

従業員、自由が丘の買い物に惑う

さて、4月である。春である。歓迎会のシーズンである。

ぴかぴかの新入生・新社会人たちが町を闊歩するこの季節、

妙に新しいものがほしくなるのは我が店の従業員だけだろうか。

 

 

 

先ほどから従業員が買い替えるものをリストアップしている。

その様子は本当に楽しそうだ。

 

 

 

たとえ買い替えるのが、くたびれたタワシやメモリのはげた計量カップや、

べろべろになった風呂のふたであっても。

まあ、ここはおしゃれ雑貨とマダムの町、自由が丘。

こじゃれた料理雑貨にはことかかないだろう。従業員が使う平凡な雑貨などなおさらだ。

意気揚々と買い出しに向かう従業員を、私は適当に見送っておいた。

 




ところが数十分後、従業員は肩を落としてマジョリカへと帰ってきた。

おお、どうしたというのだ従業員よ。そんなに意気消沈して、道端でへまでもやらかしたか。

そういえば当初の目的だった亀の子だわしも風呂のふたも持っていないではないか。

 

 

 

 

 

 

「……だめですオーナー。この町、おしゃれじゃないものが売ってない…」

 

 

 

そう、従業員がしょっちゅう小間物を買っていた店が、

おしゃれグッズとスイーツをふんだんに盛り込んだ自由が丘仕様になって新装開店したのだ。

 

 

 

そこにあふれるのは、自由が丘マダム好みのキュートな雑貨と、

用途があまりにもおしゃれすぎるお役立ちグッズたち。

ただでさえこじゃれた界隈とは縁遠い従業員たちが普段使いするには、あまりにも荷が重い代物だ。

 

 

 

なぜ「お魚さん♡やイルカさん♪のカタチのキュートなバススポンジ」はあるのに

風呂のふたがないのか。

 

 

 

なぜ、「振るだけでカルボナーラができちゃうフリフリ♪シェイカー」はあるのに

無洗米用の計量カップがないのか。

 

 

 

なぜ「おうちやきのこの形のドアストッパー♪」やら

「アボカドがキレイに切れちゃうアボカドカッター」やらはあるのに、

亀の子だわしはどこにもないのか!

 

 


拳を握り、嘆きの声を上げる従業員に、私は何も言うことはできなかった。

 

 

 

数日後、従業員達は少し離れたところにある小さな小間物屋を探し当て、

無事亀の子だわしも風呂のふたも手に入れることができた。

 

 

 

外観は正直自由が丘らしからぬ雑然とした雰囲気。だが、「たわしですか?そこの棚に並んでますよ~」と
にこやかに告げる店のおかみさんが、従業員にとっては女神に見えたそうだ。

 

 

 

 

 

 

帰り道、従業員はふと普段は縁のない、自由が丘のおしゃれな通りを見てきたという。

おしゃれな小物だけでトータルにコーディネートされたおしゃれな空間。

心のうるおいを補給する有意義な時間を過ごしたという。

 



 

「そりゃ、人間こころにうるおいは必要ですよ。それはよーく知っています。

でも、人間うるおいだけじゃ生きていけないんですよね…」

 

 

 

私を膝に乗せ、深く深くため息をつく従業員。

確かに、人間うるおいだけでは生きていけない。それでは飢えて死ぬだけである。

私は同情の意をこめて、神妙な顔でうなづいておいた。

 

 

 

 

 

ちなみに従業員の物欲は衰えないらしく、今度は新しい座椅子を狙っているようだ。

だが、自由が丘の街にはソファー以外の床座文化が存在しないらしく、

従業員の買い物は再び混迷を極めている。

 

 

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従業員が安らかに買い物ができる日々をなんとなく祈っておこう。

2013年4月 2日 (火)

季節外れのもらいもの 

そろそろ春の兆しも聞こえるというのに、従業員が季節外れのもらいものを持ってやってきた。

「春の模様替えに乗じて、友達からこたつ貰ってきましたー!」

 

そういえばいつのことだっただろうか。

「こたつに入ったことがないなんて、猫に生まれた

幸せの半分を捨てているようなものだ」

と従業員にしたり顔で言われたのは。

 

普段はよく毛を焦がすガスストーブとポットの床暖房で暖をとっている私だが、

実はこたつを使ったことがないのだ。従業員にそこまで言わせるとは、

きっとものすごく幸せなものなのだろう。

 

さあ、早速中に入ってみようではないか。

はやる気持ちを押さえ、炬燵のはいった段ボールに近づいてみて驚いた。





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「カジュアルこたつ」

 

 

 

 

ちょっとまってほしい。こたつとは、そんなに種類やテイストに幅のある品だっただろうか。

 

では逆に聞こう。上質な素材をふんだんに使い、シックなデザインで

ちょっとしたパーティーシーンにも役立つ「フォーマルごたつ」なんてものもあるのか。

原色やフリンジを多用したゆったりシルエットで、

異国情緒あふれる「エスニックこたつ」や

白とネイビーのボーダーに赤でさわやかなさし色を加え、

海辺が似合う「マリン風こたつ」なんてものまであったりするのか。どうなのか。

なぞは深まるばかりだ。



残念ながらこの「カジュアルこたつ」、従業員宅に収容されるため、

どの辺がカジュアルなのか身をもって確かめることはできなかった。

「もしかして、オーナーも入ってみたかったですか?もしよかったら遊びにきてくださいよ~

こたつ入場料は片づけ10分でいいですよ~」

と、従業員から寝ぼけた誘いを受けたが、尻尾を振って丁重にお断りしておいた。

 

私はもっとゴージャスでセレブリティーでラグジュアリーなこたつに入るのだ。

それまでこたつデビューはお預けということにしておこう。

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