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我輩は影のオーナーである。名を「さちこ」という。
普段は地方都市にある本社社長室の座布団型デスクの上で 瞑想している。


時折、店の方から「視察に来い」との要請がある。面倒くさいことこの上ないが、従業員から献上されたホッケに免じて、行ってやることにしよう。

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2012年10月

2012年10月30日 (火)

従業員、最強の奥義を伝授する ~従業員だけが知るしゃっくりの止め方~

それは、秋の静かな夜のことだった。

普段は小粋なジャズと従業員の調理の音、楽しげに語らうお客さまの声だけが響く店内に、

不穏な声が響き渡る。

「…ヒック!…ウィック!あーもう!さっきしゃっくりが止まらない!!」

そう叫んだのはわが店の常連客、F氏。

司法試験に挑むのを何よりのライフワークとする知的な方なのだが、

今夜は苦悶の表情でひゃっくりと戦っている。その時間は30分以上にも及んだだろうか。

「そのうち収まるだろう」と静観を決め込んでいた友人たちの表情が曇りはじめた。

近所のテーブルのまるで無関係な方々さえ、けげんな表情でF氏のテーブルを見つめている。

そういえば以前どこかで「ひゃっくり100回で最悪の場合死に至る」と聞いたことがある。

おお、まさかこのマジョリカがF氏の生死を決める舞台になろうとは。

私も布団の中から事態を見守っていると、そこにふらりと現れたのが従業員。

「ひゃっくりが止まらないんですか?いい方法知ってますよ!」


自信満々の笑顔で胸をたたく従業員。だがしかし、耳を貸すものは誰もいない。

信用がないのだ。

F氏はほかの方々の助言には素直に従い、その場で出たありとあらゆる

民間療法を試しはじめた。

水を飲み、息を止め、こよりで無理やりくしゃみをだす……

そしてF氏が従業員の前に膝を屈したのは、それらすべての試みが失敗に終わった後であった。

今までに見たことのないけげんそうな表情で、従業員考案のやりかたを試すF氏。信用がないのだ。

ところが。

「…あれ?止まった?うそーーー!!すごい!!!」

そう、本当にひゃっくりが止まったのである。これには周囲の人も驚いた様子。

従業員は鼻高々といった表情である。

F氏はすぐに冷静さを取り戻し「まあ、ちょうどひゃっくりも収まりどきだったのかもしれませんしね。それにひゃっくりを一回止めただけじゃ、偶然の可能性も否定できません」

知的さには定評のあるF氏だけあり、実に冷静な分析だ。

ところが偶然ではないのである。

実は数年前にも、この従業員考案のやり方は常連客をひゃっくりから救っているのだ。

その時は常連客のひゃっくりがよほど苦しそうだったのか、横のテーブルでくつろいでいたアメリカ人のグループ客まで巻き込んでの大騒動だった。

ちなみにアメリカ人が教えてくれた方法は

「氷水の入ったコップを首筋にあてる」

「砂糖をティースプーン一杯飲む」

「手を後ろから回して鼻をつまむ」

などなど……だが、これらのワールドワイドな方法を打ち破り、常連客のひゃっくりを止めたのは従業員の提案だった。

*****

お客さま皆様方にお得な情報をお届けするのも、わたくしのオーナーとしての務め。

過去に幾人もの常連をひゃっくりから救ったその方法を、この機会にわたくしが直々に伝授しよう。

まず水を注いだコップを片手にもち、もう片方の手を腰にあてていただこう。

そうしたら腰を深く曲げ……

おっと。従業員から「これ以上は企業秘密により掲載NG」が出てしまった。

もしどうしても気になる方は、わが店でしゃっくりをしながら

従業員に助けを求めてみてほしい。

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