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我輩は影のオーナーである。名を「さちこ」という。
普段は地方都市にある本社社長室の座布団型デスクの上で 瞑想している。


時折、店の方から「視察に来い」との要請がある。面倒くさいことこの上ないが、従業員から献上されたホッケに免じて、行ってやることにしよう。

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2012年2月

2012年2月28日 (火)

常連客、雪とともに駆けつける。

何だこの寒さは。この二月の寒さは尋常ではない。
関東南部に雪が降るなど、私にとっては正気の沙汰とは思えない。
全く、寒くなるならこの私に許可の一つもとってほしいものだ。


そういえば、小雪の舞ったとある夜。
私と従業員が外を眺めながら客を待っていたところ、
白髪頭に雪をのっけた常連客のY氏が我が店に駆け込んできた。
しかも分厚いコートと手袋と言う重装備である。


Y氏はいつもほろ酔いで我が店を訪れる、気のいいなじみ客である
(「ほろ」どころか完全に酔っている「ぼろ酔い」状態の時も多々ある)。

彼は野球好きで、愛校心が強く、
好きな山は六甲山、好きな方角は都の西北。

とうぜん好きな色は黄色と黒の縞かえんじ色(紺碧も可らしい)で、
「オレの葬式には六甲おろしと都の西北を交互に流してほしい」と
言ってはばからないかなりの猛者である。


…少し話がそれたが、Y氏は普段はもっとゆったり歩いて現れるのだ。
それがこんなに急いでくるとは…。一体どうしたというのだ。


「いやー、雪降ったら雪だるま作るんだろ?手伝おうかと思ってさ!」


ちょっと待ってほしい!いきなりなんてことをいうのだ!
そもそも雪はさっき降り始めたばかりで、まだ一ミリたりとも
積もっていないではないか。いくらなんでも張り切り過ぎである。

しかもY氏はもう結構なご老体。
雪玉転がしなどという重労働、させられるわけがないだろう!


結局その日は待てど暮らせど雪は積もらず、
Y氏は若干残念そうな顔で去って行った。
「また今度手伝いにくるよ!」という言葉を残して。


さて、本日未明から明日にかけて、関東南部にもふたたび雪が積もる予報である。
果たしてY氏は現れるのか、そしてその際には一体どのような任務をお願いするのか。気になるところである。

なお、今のところ、室内から従業員がさぼらないように監督する、という任務が第一候補である。

2012年2月15日 (水)

従業員と私、超高級品と出会う ~一月前の貢物~

布団の中で冬を憂いているうちに、2月ももう半ば。
つい先日などはあまりの寒さで、洗濯していた店用のタオルが夜中に凍りつくほどであった。
これではまだしばらく布団を離れるわけにはいかないようだ。

そういえば随分前の話になるが、我が店に貢物を持ってきたお客さまがいた。
約一年ぶりとなる突然の来店、片手には仰々しい紙袋。

しかもその紙袋を従業員に差し出してくるのだから驚いた。

私の目から見て、従業員はお客さまから貢物をいただけるほどの
働きをしているようには思えないのだ。
くれてやるとしても、せいぜい私の小言と猫パンチくらいが関の山というところだろう。


私と同様面くらう従業員を尻目に、そのお客さまは従業員の目をまっすぐに見据えてこういった。

「この店、長く続けてくださいね!」


なんというありがたいお言葉だろうか。
私は尻尾で目頭を押さえてむせび泣いた。

こうした素敵なお客さまがいらっしゃるおかげで、
たとえ頓馬な従業員でもこの店を続けていけるのだ。感謝で胸がいっぱいである。


*****
店が終わってから、従業員たちはうやうやしくお客さまからの贈り物を開封した。


まさかここで再度肝をつぶすことになるとは。
袋の中身を見るなり、従業員が絶叫した。


「ド、ドンペリだーーーーー!」

見よ、箱の真ん中に燦然と輝く銀のマークを。
そう、まごうこと無き本物のドンペリである。
私も噂には聞いていたが、実物を見たのははじめてだ。
それにしても、なんと神々しい姿。私も思わず猫背を正してしまった。


件のお客さまよ、わが店の頭のねじが少々緩んだ従業員たちに、こんな過分なものを頂いてしまい、本当に礼をしても尽くし足りないというものだ。

せめてもの恩返しとして、たとえこの街が草一本生えぬ更地になろうとも、
岩や石にかじりついて、この店ののれんを守り続ける所存である。
どうかごひいきに願いたい。


*****
…余談だが、部屋の端に置いてあるだけで高級感がにじみ出るこのドンペリの箱、一体どうやって開けるかご存じだろうか。


ふたの最上面をパコッとやれば開くようなその辺の箱と一緒にされては困る。
実はドンペリの箱には側面に二つ、箱を開けるためのボタンがあるのだ。
それを押してから箱を引き上げると、おもむろにドンペリ様のご神体が姿を現すこととなる。
さすがドンペリ。たとえ大金を積んで手に入れようとも、
真の知恵と勇気とがあるものにしか、その姿を現さないとは…。


この箱のギミックだが、当然のように我が店の従業員も大いに翻弄された。
我が店で一番年長の従業員(A型)が大奮闘してくれた結果、せっかくのドンペリ様の箱が見るも無残な姿になってしまった。


…この箱が開いたのは、このような姿になってから十数分も後のことだった。
やはり我が店の従業員には、あまりにも過分な贈り物だったかもしれない。


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