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我輩は影のオーナーである。名を「さちこ」という。
普段は地方都市にある本社社長室の座布団型デスクの上で 瞑想している。


時折、店の方から「視察に来い」との要請がある。面倒くさいことこの上ないが、従業員から献上されたホッケに免じて、行ってやることにしよう。

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2011年11月

2011年11月21日 (月)

マジョリカ、ハンドクリームの適量を考える

やれやれ、憎き夏が過ぎ、ようやく過ごしやすい季節になったと思ったらもう冬になってしまった。


従業員がやれ寒いだのやれ手が冷たいだのといっては私をもみくちゃにしてくる冬である。全くたまったものではない。

しかもここ最近、従業員が私に触るたびに、私の上質な毛皮に従業員の皮膚がひっかかるのだ。どうも従業員が手あれを起こしているらしい。


そういえば最近はパーティーが続き、洗いものも随分と沢山出ていたようだ。
そう思うとさすがに不憫である。
愛と優しさにあふれる私、たかが手荒れとて見過ごすわけにはいかない。

そこで私は以前お客様にいただいた高級ハンドクリームを従業員に差し入れることにした。

小さなチューブ入りで1000円もする代物だ。
本当は私の肉球の手入れのために取っておいたのだが、私はふだん静かな書斎(布団が沢山ある方が望ましい)にて思索にふける日々なので、手あれや霜焼けなどとは無縁なのだ。このくらい気前よく従業員に役立ててもらってもいいだろう。


従業員がふだん使う安物とは一線を画すなめらかな使い心地に喜びつつ、早速活用する従業員。
日頃頓馬な従業員とはいえ、こう素直に喜んでもらうと私も差し入れのしがいがあるというものだ。

私がひげをたてつつ悦に入っていると、突然従業員から質問が入った。

「オーナー、ちょっと聞いてもいいですか?
このクリーム、「パール一粒分を手のひらに取り…」と書いてあるんですが、真珠の大きさって、こんなもんですか?」


そう言って従業員が差し出した手のひらには、わずか米粒一粒分程度のクリームが。
何と言うことだ。いくら従業員たちが宝石などという輝かしい世界から縁遠いとはいえ、これはいくらなんでもささやかすぎる。


それに、もしもだ。
もしも従業員たちが、外でこのハンドクリームを使うことがあったらどうだ。
世間の人々はこれをみてどう思うか。


きっと「あそこの方ってあんな小さな真珠しか持ってないんだ…」


とさもしく思われるに違いない。それは困る。それは私と我が店の権威の失墜だ!

なにをいう従業員!我が店の真珠はそんな大きさではない!
とりあえず私はそう言い放つと、従業員のこめかみに正義の猫パンチを繰り出しておいた。

そして、私はすぐさま我が店の鉄の掟に、新しい条項を付け加えておいた。

「何かの分量に“パール大”と書いてあったら、必ず大きめに搾りだすこと」


なお、洗顔料などにある「さくらんぼ大」の場合は若干小さめにしてもらうつもりだ。無論、みんなの憧れ「佐藤錦」を意識してのことである。

そういえばついさっき、またも従業員から質問があった。

「オーナー、こっちのクリーム、アーモンド2粒分って書いてあるんですが…」


アーモンドは大きめのと小さいのとどちらがより上質なのか。現在鋭意調査中である。

2011年11月17日 (木)

マジョリカ 秋の句会に九州の風

のんびりとしている間に、秋が深まってしまった。

さて憎き夏が去り、ようやく過ごしやすい秋が来た。
食欲の秋、読書の秋、芸術の秋、食欲の秋。

相変わらずくだらない会話とつまみぐいにうつつを抜かす従業員を尻目に、
私はいつも以上に高尚な思索にふけり、時折ほっけをつまみ(味見である)、そして今が旬のサンマをほおばる(何度も言うが、品質管理のための味見である)日々を続けている。


芸術といえば、我が店の常連方がつくった「自由が丘俳句の会」も、
秋の訪れとともに活動を再開した。


夏場は「暑くて俳句どころではない。」などという軟弱な声が届いたりもしたが、過ごしやすくなるとともに、少しずつ俳句のクオリティもあがってきたようだ。
今ではもう夏の衰えを感じさせないレベルまで回復し、我が店に文化的な風を呼びこんでくれている。


そんな中、従業員あてにメールが届いた。
メールの主は先日九州へと転勤してしまったsora氏。
この方は従業員の自転車の師匠であると同時に、自由が丘俳句の会の一員でもあったのだ。


メールをひらくと無沙汰を詫びる挨拶の後に、
「転勤先での人の心の移ろいを、季節の中に折り込みました。秋の句会に寄せてください。」という一文が。そして、その下の方に彼の作品がしたためられていた。


「秋風や モテ期は遠くなりにけり」


何という、人の心の儚さよ。
まさかこんなにも早く、彼のモテ期が過ぎ去ってしまうとは。
私達は泣いた。むせび泣いた。そしてすぐさま九州に向かって叫んだ。
「我々の中で、sora氏は永遠のモテ期である」と。


この秋の句会で、彼の句が従業員のなかでの優秀作に選ばれたのはいうまでもない。


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