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我輩は影のオーナーである。名を「さちこ」という。
普段は地方都市にある本社社長室の座布団型デスクの上で 瞑想している。


時折、店の方から「視察に来い」との要請がある。面倒くさいことこの上ないが、従業員から献上されたホッケに免じて、行ってやることにしよう。

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2009年1月

2009年1月28日 (水)

下克上の危機

私がいつもの通り布団の上で思索に浸っていると、何やら従業員が大きな荷物を抱えてやってきた。

従業員はいやにテンションが高い。その上、その大きな荷物はごそごそと妙な物音が聞こえてくる。 私は瞬間的に嫌な予感がした。妙な物音が聞こえる荷物など喜ばしいものであるはずがないし、何より従業員のテンションが高いときには碌な事がないのだ。

従業員は笑顔で私に荷物の中身を見せてきた。

「見てくださいよ、オーナー!子猫ですよ、子猫!とってもかわいくないですか!!」 

私の嫌な予感は当たった。

これは下克上だ。

従業員が私をオーナーの座から引きずり落とすために、こんな年若い子猫を担ぎあげてクーデターを起こそうとしているのだ。 従業員は、私が謀反の計画に気付いているのを知らないのだろうか。執拗に子猫と遊んでいる。一見するとただかわいがっているだけに見えるが、きっと私を陥落させるための算段でも練っているのだろう。

恐ろしいことだ。

別の従業員は、普段私にも滅多に出さないツナ缶を、その子猫のために供している。あれはきっと賄賂だ。子猫がオーナーになった際に、よりよい地位に就けるように公然と賄賂を贈っているのだ。

当の子猫はと言うと、私の方を見てはみいみいと鳴いている。 私を懐柔しようとでもいうのだろうか。

この店の中に私の味方は誰もいない。そう感じて店の外で頭を冷やしてから店に戻ってみると、なんと当の子猫が消えているではないか。

従業員に聞いてみたところ、

「ああ。あの猫は一時的に預かってただけですよー。近所の焼鳥屋さんが子猫を欲しがってて。それで、私の親戚の家にちょうど子猫がいたから貰ってきたんです。いやー、ちょっとの間だけど、かわいかったなあ…」

どうやら私のオーナーの座は安泰なようだ。よかったよかった。

そして、今日家に来たあの子猫も、私と同じように自由が丘の焼鳥屋でオーナー業務に励むのだろう。 私の座を脅かすのならともかく、私を師と慕う、オーナー業務の後輩なら大歓迎だ。

もしまた会う機会があったなら、今度はきっちりとオーナー業務の重要性について教えてあげなければ。

何といっても、私の初めての後輩なのだから。

2009年1月27日 (火)

尻尾の経過

最近になって、ようやく私の尻尾も快方に向かってきた。

まだ以前のように美しい毛並みが生え揃う、というところまではいきついていないが、これでも一応進歩というべきであろう。喜ばしいことだ。

そして、従業員が快気祝いに、といって首輪を買ってきてくれた。

 首に綱でもつけて引き回されるのでは、という心配も杞憂に終わり、ほっと一安心だ。 色もシンプルかつ高貴な白で、私の美しい灰色の毛並みによく似合う。中々いい選択眼をもっているではないか。

「オーナーに悪い虫がつかないように」

とのことだが、首輪でここまで女っぷりを上げてしまうと、逆に変な虫を惹きつけてしまうのではないかと今から心配だ。

従業員がノミだのダニだのと言っていたようだが、近所にそんな名前の猫でもいるのだろうか。

2009年1月17日 (土)

従業員の慰め

最近は肉球が凍りそうなほどの寒さが続いているらしい。

私は尻尾を焦がしてからというもの、失意のあまり外に全く出ていないので、何の関係もないのだが。

だが、従業員達は心配そうに私を見ている。私が室内にひきこもりっきりになっているのを見かねているらしい。

「オーナー、元気出して下さいよ。 そういえば最近、オーナーは首輪してませんでしたよね。 今度新しい首輪でも買ってあげますから、お願いだから外に出てください。 出ないと掃除機が使えない…」

よくよく考えれば、去年の10月ごろに首輪をはずしてからというもの、首輪にはとんと縁がなかった。日頃の褒美ということで、ここは従業員に甘えて買ってもらおうか。

いや、ただの首輪を買うだけなら、どうして外出と無理やり結びつけたりするのだろう。 もしや、従業員は私をあの野蛮な犬たちと同じように、首輪につないで散歩でもさせる気なのか。私を外出させることに固執している従業員だ。そのくらいのことはやりかねない。 首に縄をつけて市内を引き回されるなどという屈辱を受けるのは御免だ。 従業員の甘い言葉には、乗らないようにしなければ。

2009年1月14日 (水)

新年初の失態

さて、年も明けて、店も慌ただしくなってきた。 思うさま食べ、思うさま惰眠を貪ることが出来た新年の休みの頃が懐かしい。

私もストーブの前で、店の売上向上など諸問題について思いを巡らせていた。冬は当然のことながら寒いので、暖かなストーブの前から離れられないのだ。

目を閉じて、思索にふけってからどのくらい時間が経っただろうか。 突然、従業員が大声をだした。

「オーナー、寝てる場合じゃないですよ!今すぐストーブから離れてください!尻尾が焦げてますよ!!」 

何ということだ。私の自慢の美しい尻尾に、汚らしい焦げが出来てしまった。

どおりでさっきから尻のあたりが熱いわけだ。後悔先に立たずとはよく言ったものだ。 嗚呼。白と灰色、そして背中に入った薄茶色という、美しい三色の毛並みが私の自慢だったのに。

従業員は涙を流して笑いながら

「別に焦げてても、対して変わらないですよー」

と、根拠のないフォローを入れてくる。しかもフォローのように見えるが、実は言っていることは無礼極まりない。 こんな無様な姿を、いったい誰に見せられようか。もうしばらく、家の外には出ないようにしよう。

2009年1月 1日 (木)

年始のごあいさつ

2008年が明け、2009年となった。

昨年、私や従業員たちが食いつないでこれたのも、我が店に足を運んでくださる皆様のおかげだ。

今年もどうぞよろしくお願い致したい。

さて、これといった定休日を持たず、毎日身を粉にして働いているわけだが、年始は少しお休みを頂きたい。 1月5日までの休業となるだろう。その間に我が店を訪れても、出迎えてくれるのは締め切ったシャッターと休業の張り紙、そして花壇に生える草花だけである。気をつけていただきたい。

休業中に我が店が恋しくなってしまう常連客も多いだろう。 そんな常連のために、せめて私の写真を貼っておこう。

この写真を見て、ぜひ寂しさを紛らわしてほしい。 そして、休業が明けたら我が店を訪れるように、重ねてお願いしておこう。

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