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我輩は影のオーナーである。名を「さちこ」という。
普段は地方都市にある本社社長室の座布団型デスクの上で 瞑想している。


時折、店の方から「視察に来い」との要請がある。面倒くさいことこの上ないが、従業員から献上されたホッケに免じて、行ってやることにしよう。

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2008年9月

2008年9月30日 (火)

秋を楽しむ 装い編

最近、従業員が妙な本を買ってきた。 他の本に比べてサイズは大きいが格段に薄く、写真ばかりが載っているのだ。

「ファッション雑誌買って来たんですよ~。秋物は難しいし高いですからね。可愛い服は見ているだけでも眼福ですよね~」

従業員がうきうきしながら眺めているのを横目で見てみる。 ……なるほど。容色の整った人たちが、華麗なポーズで着飾っている。 秋になったら私も装いに気を付けてみるのもいいかもしれない。

「ちょっと、オーナー!雑誌の上に乗らないで下さいよー。雑誌が見えない~!」 

雑誌は普通の本に比べて格段に寝心地がいいことに思い当った。 この秋は私も雑誌を買って、ファッションにでも親しんでみよう。  

ファッションに気を使うなら、まずは元の毛づややひげのハリなどを保たなければ。

とりあえず、脂ののった旬のサンマなんぞを多く食べ、いつもにまして睡眠時間を多めに取ろうと思う。

滋養と睡眠は美容にとって最も大切なのだ。

2008年9月29日 (月)

秋を楽しむ 読書編

さて、先日は芸術に親しんでみたわけだが、秋の夜長の過ごし方は、従業員とともに墨と戯れるだけではないだろう。

秋といえば、「読書の秋」。

本と戯れ、本の世界に遊ぶのも、時にはいいものである。 読書の秋には何といっても本が必要。さっそく用意しよう。

…本を用意はしたものの、本に親しむのは難しいものだ。

何か体制に非常に無理が生じているような気がする。 何よりゴツゴツしていて、眠りづらいことこの上ない。

どうやら読書は私には向いていないようだ。

私には元からあまりある文才があるので、読書など必要ないのだろう。

2008年9月28日 (日)

秋を楽しむ 芸術編

最近めっきりと気温も下がり、本格的に秋めいてきた。

さて、秋と言えば気候も過ごしやすくなり、新しいことを始めるにはもってこいである。

「芸術の秋」とも言われる今日この頃、従業員も芸術にいそしむ心を持っていたようで、最近書道なぞをやったりしている。 心静かに墨を磨る時間 半紙の白と墨の黒が織りなす幽玄の世界 墨の濃淡に仄見える細やかな情緒… 従業員にこのような高尚な趣味があったとは。

どれ、私が見守ってしんぜよう。

従業員は真剣に半紙と向かい合い、心を無にしているようだ。

従業員の横に置かれた墨も従業員が手ずから磨ったものらしい。 ちょっと匂いでも嗅ぎに行こうとしたのだが……。

「あ!オーナー!半紙踏まないでください!!」

従業員の作品にくっきりと私の足形が。

私は、これはこれで作品の味であると思うし、凡庸な従業員の字にも私の足跡で箔がついたというものだ。 何より、たとえ歩いただけとはいえ、これは私の作った作品。やはり愛着がわいてくる。

やはり芸術とはいいものだ。

尚、従業員はそうは思わなかったらしく、それ以来あまり書道をやらなくなってしまった。

悲しいことである。

2008年9月27日 (土)

我が家に小包が届いた

つい先日、我が店にひとつの小包が届いた。 中を開けると、粒のそろった、緑の小さな果実が箱にぎっしりと入っている。

「あ、すだちだ~!友達が送ってくれるんですよ。」

すだちはどうやら蜜柑のように果肉を食べるものではなく、レモンのように料理に絞ってかけるもののようだ。

  まあ蜜柑にしろすだちにしろ、私に何の感興を催さないという点については全く一緒である。柑橘系の匂いはきつくて鼻に合わないのだ。 送ってくれるなら、もっと刺身やら鰹節やらのもっと気の利いたものにしてくれればよいのに……。

「すだち、おいしいですよね~。焼き魚に大根おろしにかぼす!もう想像するだけでも最高!」

……すだちはどうやら主に焼き魚にかけるものらしい。 もしかしたら、この小包がきっかけとなり、食卓に焼き魚が上る機会が増えるかもしれない。

ああ。小包の主よ。素敵な贈り物をありがとう。

願わくば、私に焼き魚を献上される機会も増えますように。 出来れば、醤油やすだちなどがかけられる前の、なるべく温度の下がったものが。

2008年9月21日 (日)

客の言葉にもの申す

「いやー。このお店は本当にいいお店ですね。」

長いこと店を経営していると、こんな風にお客から言ってもらえることがある。 店のオーナーとしてこれほど嬉しいことは無いし、どんな言葉であれそれはお客様からの貴重なご意見。神妙に受け止めて善処していく心づもりだ。

ただ。褒められているのに、褒められているのにどうしても釈然としない言葉も数多くあるのも事実だ。

「いやー。この店は本当にくつろげますよ。僕にとっての隠れ家ですね」

「そうそう、僕にとってもここは隠れ家だから、誰にも教えたくないんですよー。」

一つ問いたい。何故隠れるのだ。 諸君らは何者かに追われているのか。それともそんなにも人目を忍んで生きたいのか。 そもそも日常生活において、そこまで隠れる必要のある状況などあまり思い当たらないのだが。

それにもう一つ教えてほしい。 何故我が店の存在を隠すのか。 我が店を気に入ってくれたのならば、なるべく多くの人の目に触れ耳に入るよう、方々に触れまわってほしいというのが本音である。その方が我が店の利益につながるのだから。 なのに何故隠す。嫌悪感ならまだしも、一般的に好意というのは表立って示すものではないのか。

…というわけで、我が店を訪れた際には、隠れることなくなるべく堂々と振舞い、そして我が店への賛辞の言葉を惜しまないでほしい。 そうした賛辞の言葉が我が店にさらなる客を招くのだ。

そして尚且つ、我が店への苦言は各個人の腹の中に収めておいてくれるとありがたい。さもなくばこっそりと従業員の耳元で囁いてやってほしい。

苦言については私は聞かない。そういった瑣末なことは従業員に任せる方針なのだ。

2008年9月15日 (月)

目黒のサンマに添えるもの

さて。残暑は未だ厳しいとはいえ、秋も深まってきた。

秋といえばやはりサンマの季節。特にこの自由が丘のある目黒区は、「サンマは目黒に限る」と落語で謳われたほどのサンマの産地であるせいか、従業員たちもよく食べている。

私はサンマは焼きたてをそのまま30分くらい放置し、ちょうどよい頃合いになってから何もかけずにかぶりつくのが最上の食べ方だと思っているのだが、従業員たちはどうやらそうではないらしい。 サンマを焼き始めると同時に、大根の皮をおもむろに剥き始め、それをおろし金にごりごりとすりつける。 そうして出来た大根の削りかすの水を切り、焼けたサンマの横に添えるのだ。

だがその大根をおろす作業はなかなか大変らしく、従業員も何度か交代しながらおろしていた。

そういえば我が店の営業中も大根を下ろす作業に時間をとられると、従業員が嘆いていたのを聞いたことがある。なんとかならないだろうか。

そう考えていた矢先、従業員が妙なものを持ってきた。

「結婚式の引き出物でもらったんです~。この"電動おろし金"!これさえあれば大根おろしなんて怖いものなしですよ~!!」

そんな便利なものが結婚式の引き出物のカタログに入っているとは。便利な世の中になったものである。

ところが。 従業員たちが食事の支度をしている最中、私は洗濯機の上でまどろんでいたところ、ものすごい騒音が聞こえてきた。

ぎゅうううぅぅぅいぃぃぃいいいぃぃぃぃいいいいぃいいん!!

何だこの音は。近隣で事故でも起こったか!それとも突如道路工事でも始まったのか! 私がしっぽを立てて様子をうかがいに行くと、そこには耳をふさぐ従業員達と、元気に動く電動おろし金。

「あ、オーナー。今電動おろし金使ってみてるんですよ~。なんかすごい音してますけど……。」

あまりの轟音に耐えかねて電動おろし金を止める。 あれだけの音を出して動いていたというのに、肝心の大根おろしは全く出来ていなかった。

何たることであろうか。

今店で出している大根おろしは、すべて従業員が手ずからおろしている。我が店で大根おろしを見かけた際は、ぜひ従業員の労苦と、その陰で塵ほども役に立たなかった電動おろし金に思いをはせてほしい。

※ちなみに、その憎き電動おろし金の面をここにさらしてやろうと思ったのだが、一足先に怒りを抑えきれなくなった従業員が廃棄処分にしてしまった。なのでここはひとつ、私の写真で勘弁してほしい。

2008年9月 4日 (木)

実家から電話が来た。

つい先日、我が店の開店準備の最中、店の電話が鳴り響いた。

予約でも入ったかと出てみると、従業員の実家から。 悪い知らせでもあったかと不安げな顔をする従業員を尻目に、猛然とまくしたてるのは実家に住むという従業員の母親。

『あんた、どうして電話してこないの?!こっちは心配で心配で……! お金だったら何とかしてあげるから、連絡くらいしなさい!』

興奮する電話の向こうの母に対し、従業員は全く状況が呑み込めず、ただただおろおろする限り。 それでも何とか母親をなだめ、電話をするまでに至った経緯を聞きだした。

何でも、午前中に従業員から電話があった。 事情があって金が必要だ。申し訳ないが工面してほしい、と。 そしてその際、自らの携帯電話の番号を教え、「お昼頃には電話するから」と言われたが、夕方近くになっても連絡が来ず、教わった電話番号も使われていないという状況にパニックになり、店にまで電話をしてきたというわけだ。 ちなみに、午前中、従業員から電話があったという時間帯だが、従業員は未だ就寝中で夢の中。電話など出来ようはずがない。 それに従業員の携帯電話も未だ現役で稼働中だ。実家からの電話の前にも、パーティー予約の電話を受けたばかりだ。

……そう。賢明な読者諸君にはもうおわかりであろう。 実家にかかってきたという電話が、「おれおれ詐欺」だということを。

だが、電話を本気で信じこみ、従業員への心配で頭がいっぱいになっている実家への説明は混迷を極めた。 結局、従業員がその時間寝ていたこと、従業員の携帯電話の番号は、偽従業員が教えたものとは違うこと、そして従業員の携帯電話はまだ稼働していることを、実際に電話してもらって確かめてもらうなどの煩雑な手順を追い、ようやく納得してもらえたようだ。

全く。働かずして金をせしめようなど、とんだ外道もいるものだ。

皆さんも怪しい金銭要求の電話には惑わされないよう、気を付けていただきたい。

ちなみに、実家の誤解が解けた後、従業員は

「"お金なら何とかする"っていってたよね。じゃあ別件で貸してよ~。ちょっとでいいからさ~」

などと軽口をたたいて実家から呆れられていた。当然のことと言えよう。

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