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我輩は影のオーナーである。名を「さちこ」という。
普段は地方都市にある本社社長室の座布団型デスクの上で 瞑想している。


時折、店の方から「視察に来い」との要請がある。面倒くさいことこの上ないが、従業員から献上されたホッケに免じて、行ってやることにしよう。

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2007年12月

2007年12月25日 (火)

クリスマス当日

以前従業員から聞いたが、今日はクリスマスという日である。誰か偉人の誕生日らしい。名前は忘れた。

従業員は心なしか浮かれていたが、もちろん私はそんな軟派な行事に踊らされることはない。いつもどおり押入れの中で思想にふけっていた。

…それにしても昨日は随分外が騒がしい様子であった。 クリスマスのほかに行事でもあったのだろうか。従業員に聞いてみた。

「昨日はクリスマスイブですよ。イブというのは"前日"という意味です。あっちこっちで盛り上がってましたねー。」

なぜ盛り上がるのか。 盛り上がる必要があるのか。 誕生日の前の日というのは、ただの平日ではないか。

誕生日に浮かれるのはわからないでも無いが、誕生日の前日に浮かれるなど愚の骨頂ではないか。 そのころ、偉人の母親も、陣痛で苦しんでいただろうに…。

ところで、その母親とやらは、一体何匹くらい子を産んだのだろうか。 私の知り合いなど、一度に6匹も産んで大変だったそうだ。

偉人の母親というから、やはり一度に十匹は産んだのであろう。さすがだ。

2007年12月21日 (金)

ちょっとしたこだわり

以前、我が店に冷蔵庫が何台もあると言ったが、それに負けず劣らず冷凍庫もたくさんある。

そのうちの一つを開けてみると、どうしたことだろう。大量のビールジョッキが並んでいた。

肝を冷やして従業員にジョッキを大量に冷却する意義を問いただすと、従業員はさらりと言ってのけた。

「あぁ、それは、お客様においしくビールを飲んでもらうための配慮ですよ。

キンキンに冷えたグラスで飲むビールって、おいしいんですよ」

…よく分からぬが、我が店はビールにこだわりをもっているようだ。

さらに従業員から聞くには、生ビールの樽をロスの多い小さいものにして、樽の回転を良くして、鮮度の高いビールを出せるようにしているとのこと。

(この辺はよくわからなかったので、尻尾を動かして聞いているフリをしていた。多分ばれてない。)

以前飲食店の人が我が店のビールを飲んで、絶賛して帰ったという。

なるほど道理でそれから注ぎ方が丁寧になったわけだ。うちの従業員は誉めると伸びるタイプなのだ。

冷えたグラス、鮮度の高いビール、そして丁寧な注ぎ方。

我が従業員もやるではないか。私の元で働いているだけあるな。

「あ、オーナーもちょっと味見しますか?一舐め位なら大丈夫ですよ」

…!

何ということをいうのだ。以前何かの本で読んだのだが、ビールを飲んで酔っ払った挙句、水の中に落ちて死んだ猫がいるそうじゃないか。

そんな物騒なものを進めるなど、さては従業員、店ののっとりでも考えているのか?

断りついでに、ビールの樽の置き場所も聞いておいた。


あそこにはできるだけ近寄らないようにしよう。

2007年12月16日 (日)

メニュー紹介

「オーナー、少しは視察らしいことをして下さい!」

従業員から泣きつかれたので、仕方が無いので店のメニューの紹介でもしようと思う。

我が店のメニューで一番お客からの質問が多いのが「油揚げ」。

…全く。こんなことも聞かなければ分からないとは、人間とは馬鹿な生き物だ。 私も油揚げの何たるかくらいは知っている。 よくありがちな、朝の幸せな食卓の味噌汁の中にぷかぷか浮いているあれだろう。 私はそんな茶色の液体の中に主体性も無く浮いている様なものなど食べないので、全く興味は無いが。

「これが、うちのお店で出している油揚げです。」

…でかい。そして厚い。私の座布団にしても恥ずかしくない位厚い。

どうやら新潟県栃尾市の名産品らしい。有名らしい。 私は全く興味はないが、従業員に書くように言われたので書いた。これで文句はないだろう。

従業員は焼いた油揚げをひょいとまな板の上に乗せると、ザクッ、ザクッと軽快に切り始めた。 何という存在感のある音。そしてその姿。 これがあの、味噌汁の中をぺらぺらと無気力に漂う油揚げと同じものなのだろうか。 いなりずしでは頼りなく酢飯を包み、そして頼りなく千切れる油揚げと同じものなのだろうか。

私が感動に打ち震え、思わず鳴き声を発すると、従業員は何を勘違いしたのか、油揚げの上に乗せる鰹節を一つまみくれた。うまい。

「出来ました。これが油揚げです。」 さっきの油揚げの上に、大根おろしと生姜と茗荷と鰹節が乗っている。ついでにしょう油もかかっている。

私としてはやはり油揚げには興味は無いが、先ほど従業員から献上された、鰹節の風味豊かで滋味溢れるあの奥深い味わいは評価できるものである。ちょっと上あごにくっつくのが難点だが。

そうだ。油揚げなどやめて、皿に鰹節だけ盛って出したほうが客も喜ぶのではないか。

何たる名案。早速従業員に報告するとしよう。

ではまた。

2007年12月13日 (木)

謎の従業員

最近、調理場から聞きなれない名前が聞こえてくる。

「ちょっと、ジュンペイ君見てきて!」

「あ、違うかも。エカテリーナかも。」

…さては従業員達、私に何の断りも無く、新しいバイトを雇ったな。 オーナーたる私を差し置いて、何たる越権行為だろう。 私は怒りに尻尾を振るわせて、従業員のもとへと赴いた。

「あぁ、ジュンペイ君とエカテリーナは冷蔵庫のことですよ。」

…冷蔵庫? 「ほら、お店ではたくさん食べ物を扱っているでしょう? その分冷蔵庫もいっぱいあって、どれがどれだか判りづらかったんですよ。 だから、名前をつけてわかりやすくしたんです。便利ですよ、名前がついていると。」

…なるほど。つまりあの聞きなれぬあの名前の持ち主達も、私の下で働く従業員であるということだな。 ここで名前を聞いたのも何かの縁だ。特別にこの場で紹介してやろう。

冷蔵庫は全部で4台。それぞれ 「代々木純平君」(純平君と呼ばれている) 「エカテリーナ」(私より高貴な名前とは、小癪な…) 「麒麟君」(麒麟からもらったから。ネーミングが安直過ぎる) 「田中君2号」(君なのか号なのかどっちだ)

…こうして書いてみると、名前がついているほうが愛着も湧くし、それぞれがわかりやすくなっているような気がする。 名前があるというのは、いいことである。 いつも「従業員」としか呼んでいない従業員達にも、きっと名前があるのであろう。 何だか良い匂いもすることだし、たまには名前を呼んでやるとするか。

「あ、ツナの匂いにつられてきたんですね?だめですよ、ツナ缶なんて舐めたら、たちまちメタボになりますよ?」

結局ツナ缶はもらえなかった。名前があるのはいいことだが、従業員は従業員で十分だ。

2007年12月11日 (火)

店に木が生えた。

突然、店の片隅に木が生えた。しかも何を血迷ったのか、べかべかと光っている。
邪魔臭いことこの上ない。

こんな木の一本ごとき、私からしてみればどうということも無いが、勝手に私の店に上がりこんで、我が物顔に居座られるのは腹立たしいものである。

従業員がその木を眺めてにやにやしていたので、この木の存在意義について問いただしてみた。

「オーナー、これはクリスマスツリーって言うんですよ」

その後も、従業員は「クリスマス」とやらの楽しさ素晴らしさについて語っていたが、途中で興味が失せた。

仕方が無いので、適当にシッポを動かして聞いているフリをしていたが、従業員は気づかずに話し続けていた。全く頓馬な従業員である。


…まぁ、こんな木でも私の店に来たからには、しっかり働いてもらわなくては。

少なくとも私の爪とぎ代わりくらいにはなってもらわなくては困る。

早速挨拶代わりに爪のとぎ味でも確かめてやろうとしたが、どうしたことか、全く爪が立たない。

「オーナー、これは本物の木じゃないですよ!!」


爪もとげないような木を飾って喜ぶなんて、やはり人間とはわからないものである。

2007年12月 9日 (日)

初仕事

従業員から泣きつかれたので、私がこうして視察に出向いてやった。しかもその視察の内容を事細かに書き記せとのこと。

人間とは、なんと面倒くさいことをするのだろう。

書き記さなければ覚えていられないことなど、重要なことではないというのに…。

ここでもう少し、人間についての不満を書いてやりたいところだが、従業員が私を呼んでいる声が聞こえてきた。


「さちこー、ほっけのシッポ食べるー?」


…やれやれ、またお呼びがかかった。全くオーナーというのは忙しい。

ではまた。

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